“口コミが広がる”ということ

「一人で勝手にレイブを始めた男のストーリー(Who is an influencer?) 」

アメリカのとある野外フェス会場。ひとりの男が踊り出すのに釣られて、周りに人がどんどん集まって来て、最後にはものすごい人の数でのレイヴ・パーティに発展してしまったという凄い映像(何せ、TEDで取り上げられたというぐらいですから)。

この映像が面白いのは、後半への急展開のダイナミズムは勿論、“口コミ”が広がっていくその過程を、圧縮して視覚化したような印象を与えるところですよね。
その象徴的な現象として、動画を見ていると「後半に向けてどんどん加速している」のが分かると思います。
初めはしばらく3、4人で踊っていたのが、ある時点で一気に人が増え、最後には収拾がつかなくなるほどの勢いを見せます。これは、小さな声だと伝えられる範囲が限られているのが、声が大きくなると多くの人に伝えられるネズミ算式の伝搬力の増加を表しています。

しかし、僕がこのエピソードで最も大事だなぁ、と思った点は、この動画のさらに前、「ずっと独りで踊り続けていた」時間の“長さ”です。

先の動画は、たったの3分で群衆を踊らせるまでに至っていますが、その3分は実は最後の部分を切り取っているだけで、それよりもずっと前から、彼は独りで延々と踊り続けていたんですね。
その間、一緒に踊り始める人が何人か現れますが、そこから増えることはなく、すぐに立ち去ってしまいます。

これこそ正に、“口コミ”とは何ぞや、ということを見事に描いているんじゃないかな、と思うんです。
小さな声で始めてみるものの、なかなか反応はなく、たまにリアクションがあるものの、持続はしない……。
いつまでも同じ状況が続き、途中で疲れてしまうこともありながら(動画でも、踊り疲れて座るシーンがありますね)、それでも自分の信じたことを諦めることなくやり続けたら、その先にはきっと突破口がある……。

自分の仕事の中で、その突破口がいつになったら来るのかは分かりませんが、何となく希望を与えられるような映像でした。

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